2019/04/28 21:35

装置もなく、声の力だけで情景を鮮明に想起させる昭和精吾事務所の言語の洪水!

昨年上演された演劇『氾濫原-はんらんげん-』で発売されたレア音源の紹介です。

昭和精吾事務所は、寺山修司の劇団、演劇実験室◎天井桟敷の伝説のアジテーターであった昭和精吾が立ち上げた事務所です。
今年37回忌を迎える寺山ですが、近年も美輪明宏の『毛皮のマリー』、菅田将暉主演映画『あゝ荒野』など、今も話題にあふれています。
昭和精吾はその寺山の短歌や詩を中心に、昭和節と呼ばれる独特のマイクアジテーションを武器に活動してきた俳優で、70歳を超えても変わらず公演を打ち続けていましたが、2015年秋、公演の2週間後に急逝しました。
それを受けて、20年近く昭和の近くで語りを学び、共に作品を作ってきた こもだまりイッキを中心に、音楽・映像作家の西邑卓哲(FOXPILL CULT)を迎え、第二世代として現在も活動しています。

この公演は、新代表こもだまりが、これまで外部で出会った俳優たちを迎えコラボレーションするというものでした。
天井桟敷の直系劇団、演劇実験室◎万有引力の主要メンバーである俳優・小林桂太のほか、アングラ界だけに限定せず、シェイクスピア劇やストレートプレイ・アクションを得意とする梶原航や、詩人でアコギ弾き歌いの死神紫郎、劇団ロオル主宰の本山由乃など若き才能を集めて、一日だけのお祭りでした。

この出演者全員の声を収録したCDです。

公演映像より:左右田歌鈴・小林桂太・こもだまり『血系譜』


過去の未発表朗読や、音楽劇で使用した楽曲など含め、歌と語りで構成されたCDです。
昭和精吾曰く「歌は語るように、語りは歌うように」。
「語り」と言っても構えず、お気に入りの音楽を聴くように聴いていただけたらと思います。


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2018年12月の企画公演「氾濫原」でコラボ記念に製作された、全員参加の音源。

コラボ記念音源集『氾濫原2018』

※2018.12.14発売
※CD−R

《収録曲》
1.短歌掛け合い 六声篇
短歌:寺山修司 音楽:J・A・シーザー
構成:佐々木英明 編集:こもだまり
声:こもだまり、イッキ、左右田歌鈴
/小林桂太(演劇実験室◎万有引力)、梶原航(航跡/ZINGY ZAP)、本山由乃(劇団ロオル)

2.「蝉が鳴いて 私が呻いて」死神紫郎 feat.こもだまり
語り:こもだまり 曲・歌・演奏:死神紫郎

3.「マッチ数え歌」(音楽劇挿入歌)
詞:岸田理生 曲:西邑卓哲(FOXPILL CULT)
歌:麻邑楽

4.言葉の楽譜「狼と娘」
作:こもだまり
語り:麻宮チヒロ、稲川実加、左右田歌鈴、こもだまり

5.「あるボクサーの死」(力石徹告別式挿入歌)
詞:寺山修司 歌・演奏:西邑卓哲(FOXPILL CULT)

6.「血系譜」(音楽劇主題歌)
詞:こもだまり 曲:西邑卓哲(FOXPILL CULT)
歌:麻邑楽

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公演では、マイクでの語りシーン、朗読、幻想音楽劇などをお見せしました。

▶︎2018年12月公演『氾濫原-はんらんげん-』舞台写真

こもだまり・梶原航『短歌零年』



イッキ・死神紫郎『恐山和讃』


本山由乃・こもだまり『身毒丸』


西邑卓哲・こもだまり